金魚を鑑賞する

一匹ごとに異なる姿・色・模様の美しさをもつ金魚。その姿に魅了される人も多いです。
見る角度によって様々な美しさが広がります。他ではなかなか観ることのできない貴重な品種も多数展示。
お気に入りの1匹を見つけてみては。

多彩な金魚たち

当館には様々な特徴をもつ個性的な金魚が多数揃い、日本最大級の金魚アート展示をご鑑賞いただけます。
その美しい姿に魅了されるのはもちろん、人懐っこい金魚たちに癒されませんか?ぜひお気に入りの一匹を見つけてみてください。
ここでは当館でもご鑑賞いただける金魚を一部ご紹介します。

  • 時期によっては見られない種類もございますので、ご了承ください。

和金型の特徴

金魚の原種であるフナに最も近く、スリムな魚らしい体型の品種。
中国で生まれた金魚を日本で改良したものであり、そこから「和金」と名づけられました。
現在みられる様々な種類のもとになった金魚と考えられています。

  • 和金

    Category 和金型

    和金

    金魚すくいでもお馴染みの、オーソドックスな日本の金魚。室町時代に中国から日本に渡来した最初の金魚と言われています。近年では体色やひれのバリエーションも増えています。

  • 地金

    Category 和金型

    地金

    上からの鑑賞でその魅力が引き立つ、透明感のある白い体と赤いひれが特徴。口元は紅を差したように赤く染まっています。江戸時代中期に作出された起源の古い種で、愛知県の天然記念物に指定されています。

  • 六鱗

    Category 和金型

    六鱗

    丸みを帯びた地金の種類のなかでも、体の高さが比較的低く、細長く見える種類を六鱗と呼びます。地金とともに、愛知県で飼育されてきた金魚です。

  • コメット

    Category 和金型

    コメット

    アメリカで生産された「彗星」の意味を持つコメットは、細長い胴体と長い尾ひれを揺らして素早く泳ぎます。アートアクアリウム美術館では、館内で一番大きな水槽作品”オリガミリウム”の中で泳いでいます。

  • ブリストル朱文金

    Category 和金型

    ブリストル朱文金

    日本からイギリスに渡った朱文金が改良されて生まれた、イギリス原産の金魚。最大の特徴はハート型の尾ひれ。錦鯉のようなキャリコ柄も美しく、愛好家も多い種類です。

  • オーロラ

    Category 和金型

    オーロラ

    名前の通りオーロラのような美しい輝きをもつ、平成生まれの新しい金魚。見た目は朱文金に似ていますが、尾ひれは四ツ尾で、成長するに従って、尾ひれがさらに大きく伸びます。

  • 鉄魚

    Category 和金型

    鉄魚

    フナ型の体と、長く伸びる尾ひれが特徴。宮城県のフナと金魚の交雑種であるとされる種類です。ほかのフナ類と異なる性質をもつことから昭和8年に天然記念物に指定されました。

  • 東海錦

    Category 和金型

    東海錦

    蝶尾と地金の交配で生まれた、扇形状に広がる蝶のような尾ひれが特徴。上見でも横見でもその美しい姿を楽しめます。2003年に作出された比較的新しい種類の金魚です。

  • 朱文金

    Category 和金型

    朱文金

    美しいキャリコ柄が一番の魅力。三色出目金、和金、日本のフナの交雑から生まれた品種です。人気も高く、日本各地で生産されており、地域により姿や色合いが少し異なります。

  • 柳出目金

    Category 和金型

    柳出目金

    人気の出目金の種類のなかでも、とても素早く泳ぐ様子がダイナミックな種類。和金のような細長い体型に、フナ尾や吹き流し尾をもつ出目金です。

琉金型の特徴

体が丸く、背が高くもり上がっている品種。
江戸時代に琉球(現在の沖縄県)から薩摩(現在の鹿児島県)に持ち込まれたと言われており、「琉金」と名づけられました。
長いひれと、小さな顔も琉金型の金魚の特徴です。

  • 琉金

    Category 琉金型

    琉金

    丸いフォルムと優雅な長い尾を持つ、金魚の代表的な種類です。日本では江戸時代から愛されており、金魚といえば最初にこの琉金の姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。

  • 土佐錦

    Category 琉金型

    土佐錦

    ”金魚の女王”と称される、高知の天然記念物。ドレスのように優雅にひらひら靡く、前方が反転した大きな尾が特徴。アートアクアリウム美術館の家紋シルエットの金魚は、この土佐金をモチーフにしています。

  • 玉サバ

    Category 琉金型

    玉サバ

    玉のような体にサバのような尾を持っていることから、金魚であるにもかかわらずサバという名前がついた種類。琉金系の特徴であるボリュームのある体ですが、スリムな和金系の金魚ように活発に泳ぎます。

  • 出目金

    Category 琉金型

    出目金

    読んで字のごとく、眼が左右に飛び出した金魚。琉金の突然変異から生まれました。成長していくにつれて、徐々に眼が飛び出していきます。

  • ショートテール琉金

    Category 琉金型

    ショートテール琉金

    体に対してかなり短い尾ひれをもつ琉金。大きく丸い体をもちながら尾ひれが小さいため、泳ぎはあまり得意ではないですが、ちょこちょこと泳ぐ姿がとてもかわいらしい金魚です。

  • 福だるま

    Category 琉金型

    福だるま

    玉サバの中でも、体の丸みが強いものは”福だるま”と呼ばれ区別されています。お腹も大きく膨らんでおり、背から見るとだるまのように見えることが名前の由来になっています。

  • キャリコ琉金

    Category 琉金型

    キャリコ琉金

    明治時代に三色出目金と琉金の交配によって生まれた金魚。キャリコとは体色を表す名称で、金魚の定番柄。赤・白・黒の三色で構成される模様を指します。

  • 蝶尾

    Category 琉金型

    蝶尾

    翅を広げた蝶のような尾ひれが特徴の中国原産金魚。左右に突き出した目は出目金にもよく似ています。更紗やキャリコなど、体色のバリエーションも豊富な品種。水流の穏やかな浅い水槽でのんびり泳いでいます。

オランダ獅子頭型の特徴

頭部に肉りゅうというコブが大きく発達している品種。
大型になる種類で、オランダ獅子頭型の金魚のなかには、全長30cmを超えるものもいます。
頭のコブが獅子(ライオン)ににていることから「獅子頭」と呼ばれています。

  • オランダ獅子頭

    Category オランダ獅子頭型

    オランダ獅子頭

    頭に大きな肉りゅう(コブ)をもつ種類。江戸時代に中国から輸入され、舶来品という意味で”オランダもの”、そして獅子の頭のように発達する頭のコブが名前の由来と言われています。

  • 東錦

    Category オランダ獅子頭型

    東錦

    オランダ獅子頭と三色出目金の交配で生まれた、大きな体と頭のこぶが特徴の種。アートアクアリウムには、この他に白黒オランダなど、東錦と同じオランダ獅子頭から派生した種も泳いでいますので探してみてください。

  • 丹頂

    Category オランダ獅子頭型

    丹頂

    輝く白銀の体に、頭の上の赤い肉瘤が特徴的な金魚。東錦などと同じく、オランダ型のボリュームのある体で存在感があります。帽子をかぶっているような赤い瘤は、一目見たら忘れられないインパクトを与えます。

  • 茶金

    Category オランダ獅子頭型

    茶金

    赤みを帯びて輝く茶色が特徴の種類。オランダ獅子頭と同じ体型をしています。英名では「チョコレートオランダ」と呼ばれており、その色合いが個性的で美しい金魚です。

  • 青文魚

    Category オランダ獅子頭型

    青文魚

    金魚には珍しい、濃い藍色がかった渋い色合いが特徴。体型はオランダ獅子頭と同様です。その独特な体色は成長によっても変化することがあり、個性がでます。

  • 竜眼

    Category オランダ獅子頭型

    竜眼

    オランダ獅子頭と同じ体型、かつ出目になっている種類は”竜眼”と呼ばれています。さまざまな色と模様が見られる種類ですが、流通量はあまり多くなく、珍しい金魚の1種です。

  • ジャンボ獅子頭

    Category オランダ獅子頭型

    ジャンボ獅子頭

    名前の通り、大きな体をもつ金魚。オランダ獅子頭のなかでも特に大きくなる個体を選別し交配して誕生した種類です。中でも大きなものは全長が40cmを超えるほど大きく成長します。

らんちゅう型の特徴

背びれがないという特徴をもつ品種。
水中を泳ぐ魚にとって必要な器官である背びれがないため、決して速くは泳ぐことができないですが、その丸くて大きな体でゆっくりと泳ぐ姿がとっても優雅で美しい種類です。
愛好家も多く、「金魚の王様」といわれています。

  • らんちゅう

    Category らんちゅう型

    らんちゅう

    「獅子頭」と呼ばれる肉りゅう(コブ)が発達した頭と、背びれがなくぷっくりとした体が特徴。迫力のある見た目ですがチョコチョコと泳ぐ姿が愛らしく、愛好家が多く、品評会も盛んなことから”金魚の王様”とも称されます。

  • 桜錦

    Category らんちゅう型

    桜錦

    透明鱗の柄が赤と白に染まり、桜を連想させる体色をしたらんちゅう体型の種類。このほかにも透明鱗に赤白の模様が入る種類の金魚には”桜”が付きますが、この桜錦が名付け方の始まりです。

  • 秋錦

    Category らんちゅう型

    秋錦

    明治時代に金魚商である初代・秋山吉五郎がらんちゅうとオランダ獅子頭を交配して作出した金魚。秋山氏の名前と、秋の紅葉をイメージする色合いから”秋錦”と名付けられたと言われています。

  • 南京

    Category らんちゅう型

    南京

    出雲地方で古くから飼育されてきた希少な種類で、島根県の天然記念物に指定されています。背びれがない体と、四ッ尾と呼ばれる尾ひれが特徴です。

  • 花房

    Category らんちゅう型

    花房

    らんちゅうと同じく背びれがなく、ハナフサとよばれる鼻の特徴をもつ金魚。匂いを察知する器官が房状に発達した”ハナフサ”が鼻のあなのふちにある種類です。

  • 水泡眼

    Category らんちゅう型

    水泡眼

    中国原産の金魚。目の下の大きく発達した水泡状の袋は、下まぶたにあたる部分が肥大化したもの。この袋は目を保護するのにも役立ちます。頂天眼とおなじく背びれがなく、のんびりと泳ぎます。

  • 頂天眼

    Category らんちゅう型

    頂天眼

    真上を向いた目と、背びれがない独特なフォルムが特徴です。出目金の突然変異とされており、視力の代わりに嗅覚が優れています。アートアクアリウム美術館の水槽作品の中を元気に泳いでいます。

  • ライオンヘッド

    Category らんちゅう型

    ライオンヘッド

    著しく発達した頭の肉りゅう(コブ)がまるでライオンのたてがみのように見えることから名付けられた金魚。背面からみると、こぶが側方にも大きく発達していることが見られます。

  • 江戸錦

    Category らんちゅう型

    江戸錦

    らんちゅうと、キャリコ柄の東錦を交配して作出された品種。生まれた土地にちなんで、”江戸”という名前がついたと言われています。美しいキャリコ柄は、一匹一匹に個性があります。

  • 大阪らんちゅう

    Category らんちゅう型

    大阪らんちゅう

    左右に、水平に大きく広がる尾ひれが特徴のらんちゅう型の金魚です。関西地方で古くから飼育されてきた種類ですが、第二次世界大戦直後に一度絶滅したという歴史を持っています。

  • ガトウコウ

    Category らんちゅう型

    ガトウコウ

    中国北京の宮廷金魚で、白い体に、頭だけ赤いという特徴をもつ金魚です。中国での同種はコブが発達しますが、日本のガトウコウはコブが発達しません。とても入手しにくい金魚の1種。

パールスケール型の特徴

体は丸く、鱗が真珠のような品種。
中国名では「珍珠鱗」と呼ばれており、真珠の鱗を意味します。
パール鱗とよばれるもり上がった鱗と、大きく膨らんだ腹部、体の丸みが大きな特徴の種類です。
コロコロとした姿がかわいらしく、人気の高い金魚です。

  • 珍珠鱗

    Category パールスケール型

    珍珠鱗

    盛り上がった鱗が真珠のように見えることから、中国名で真珠という意味の”珍珠”が名前についた種類。腹部が大きくふくらみ、まん丸の体が特徴的です。

  • ピンポンパール

    Category パールスケール型

    ピンポンパール

    琉金の仲間で、名前の通りピンポン玉のようなまん丸フォルムと、表面が真珠のように盛り上がったパール鱗が特徴。一生懸命に泳ぐ愛らしい姿に癒される人も多い、アートアクアリウム美術館の人気者です。

  • 浜錦

    Category パールスケール型

    浜錦

    高頭パールを日本で品種改良した種類。高頭パールに似ていますが、浜錦は頭のこぶが左右に2分割されているのが特徴です。上から見ると、ふたつに分かれた頭がハートに見える個体も。

  • 高頭パール

    Category パールスケール型

    高頭パール

    珍珠鱗の1種で、頭にしわのない大きな肉りゅう(コブ)がついている金魚。丸っこい体に、丸く風船のようなこぶがついている姿がとても個性的な種類です。

様々な視点から鑑賞する

「上見」
金魚を上から眺める

本来、金魚は上から見て楽しむもの。金魚が誕生した当時はガラス水槽などではなく、陶器や桶で飼育が主流でした。そのため上から見て美しく見えるように品種改良された金魚も多いです。当館も様々な展示方法で「上見」の美しさを体感できます。

「横見」
正面や横からの姿を楽しむ

色柄や模様の美しさを堪能するなら、横見がおすすめです。1匹1匹異なる美しさを存分に感じ取ることができます。悠々と泳ぐ「生きた芸術」の姿をお楽しみください。

様々な楽しみ方