浮世絵 流行猫の曲手まり/坂田怪童丸
流行猫の曲手まり
曲手まりとは、まりをけったり、ついたりして見世物として演じる曲技・曲芸のこと。江戸時代当時に人気を博した曲芸師・菊川国丸の演目を、擬人化された猫が演じています。江戸の人々の娯楽を浮世絵として写しだし、そのなかでも猫好き絵師・国芳ならではの自由自在なアイデアが光ります。鈴や蹴鞠、小判など、芸にあわせた着物の柄が描かれており、細かいところまで表現豊かな作品です
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坂田怪童丸
金太郎の名で知られる怪童丸は、江戸時代多くの浮世絵に描かれています。その怪力で鬼退治などでも活躍する怪童丸が、自身よりも大きい鯉をやすやすと持ち上げている場面を描いた本図。出世して活躍する怪童丸と、滝を登り龍になるという鯉の組み合わせは、男児の成長を願う人々の想いをあらわしています。怪童丸の表情や肌の色、また鯉の勢いや弾ける水の表現が、ダイナミックな画面を構成しています。